風変わりな女の子
灰泥軽茶

小学生になって集団登校
その中に喋らない女の子
うちでは喋るらしいから
帽子を引っぱたり
ランドセルを押したり
ちょっかいをだすと
すごく眉をへの字にして
嫌な顔するけれど何も喋らない

或る日その女の子の弟と
ふとした喧嘩で泣かしてしまう
家に帰ると母にとても怒られる
なんでもその女の子からの電話
それからも
ちょっかいは出し続けたけれど
引っ越すことになって
結局声は聴こえずじまい

それから時はたち
そんなこともすっかり忘れ高校生
偶然その女の子の家の前を通り過ぎ
そういえば昔とちらりと横を向くと
声は聴こえなかったが
少しへの字顔した
彼女は笑って家族と喋っていたので
私も少しへの字顔になって
なんだろうな
たぶんだろうな
その女の子が好きだったのかなと困惑した



自由詩 風変わりな女の子 Copyright 灰泥軽茶 2015-02-11 23:50:42
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