道のさき
……とある蛙

空に向かって伸びてる道を
僕は一所懸命歩いていた。
歩いて歩いて歩いて歩いた
いつか空に着くもの
と信じて。

歩いて歩いて歩いて歩いたが
空は全然近よってこない。
そればかりか
空に近づく気配すらなかった。

その道は空に向かうふりをして
微妙な R で人を騙して
峠を越えたらいつの間にか
街に向かって歩かされていた。

しかし、僕はそれでもあきらめず
また、反対側から歩き出したのだ。

空に向かって伸びるている道を
僕は一所懸命歩いてみた。
歩いて歩いて歩いて歩いた
空に着かないことが分かってからも
歩いて歩いて歩いて歩いた。

また、峠までやってきて
歩き疲れて立ち止り
さすがに歩き疲れて立ち止まった。

そのまま地面に倒れたら
僕の上には空があった。
僕の眼の中には空しか映っていなかった。

空に吸い込まれそうな僕は
そのまま空に吸い込まれてしまった。
また、地面に戻るには時間がなかったから
吸い込まれたまま歌を歌い出した。
空にはたくさんの同類がいて
皆口々に自分の歌を歌っている

ばらばらだった歌がそのうち一つの歌になり、
ばらばらだった心がそのうち一つの歌になり
ばらばらだった気分がそのうち一つの歌になり

歌は空に吸い込まれて、
ふさぎ込んでいた僕の気持ちも
歌と一緒に吸い込まれ
僕らはそのまま空になった

雲の浮かんだ空になった。


自由詩 道のさき Copyright ……とある蛙 2015-02-03 16:53:57
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