Tempo rubato
衣 ミコ


ゼンマイ仕掛けの
真夜中の時計
秒針は
心拍の総数を
計るように
時を刻んで

その音に
耳を澄ませば
不安で満たされる
わたくしの部屋
灯を吹き消そうと迫る
死神は
正確さに従い
眠りの傍で
愉快そうに笑って

従順な心臓は
おまえに恋をした
わたくしの大切な一部
最深部に
吊り下げられて
ひたすらに
その朝を待つ


自由詩 Tempo rubato Copyright 衣 ミコ 2015-01-24 20:30:13
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