泣く人へ
itsuki



夜の向こうで朝に臨む
君の思想は液晶の中に
綴じることをゆるしてくれる
実体はある
ふれることはゆるされないが

印をつける人
私の肌を征服する人
暗闇と、たばこの熱を
共有して愛する人


この思慕をしらずに嘆くことばの
かなしさに益々夢中になって
まるい後頭部を
撫でるだけの立派な手は持てず
欲しがられもしない
打ち棄てる
君はそれを望んでいる

君はずっと憂いに生きて
幸福の希求と恐怖をくりかえして


さみしいと言え
さみしいと言えよ




自由詩 泣く人へ Copyright itsuki 2015-01-20 05:50:36
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