瘡蓋
花咲風太郎

うずうずする
瘡蓋かさぶたを引っ掻いたら
僕の中から
僕の中身が滲み出た
あぶないあぶない
こんなどす黒いものは
絆創膏で塞ぐに限る
乾いてくれば痒くなり
ついなんどでも剥がしてしまう
掻き毟るのが気持ちよく
僕の密かな瘡蓋かさぶた
火山のように層を成す
瘡蓋かさぶたは袖に隠れ
絆創膏の陰に隠れ
僕の快楽は誰も知らない
僕は瘡蓋かさぶたの陰に隠れ
絆創膏の陰に隠れ
つるんとした肌を見せ
何食わぬ顔をしている
僕の快楽を誰も知らない


自由詩 瘡蓋 Copyright 花咲風太郎 2015-01-19 09:45:41
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