雪の降る街
瑞海



ここは雪の降る街
雪の積もる街
体の芯から冷える街

僕の街と雪の降る街の境界線
そこから一つ足を踏み出して
爪先から
すうっと
凍ってゆく

あの子も駆けている
この人も笑っている
その奴は泣いている
みんなみんな
時間に見捨てられ
雪に拾われた
世界の始まり

ああ
雪ばかり積もって
もう人も見えない


自由詩 雪の降る街 Copyright 瑞海 2015-01-10 21:58:38
notebook Home 戻る  過去 未来