降雪のとき
遙洋



雪が音を吸い
うたに意味だけがのこる
だから冬は
うたわない、と
歌手たちは言った


うたのなかのことば
ことばのなかのうた
かれらが一人
また一人
重い罪を負わされてゆくのは
見るに耐えないのに
うたのならない冬の
血、冬の血
冬は
なんとうつくしい雪に
うもれてゆくのだろうか
わたしは目をつむることができないでいます



自由詩 降雪のとき Copyright 遙洋 2015-01-08 23:28:10
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