ピジョン・ブラッド
小川麻由美

重い門扉と高い塀
黒い真綿にくるまり
闇で安らぐ一羽の鳩

塀に絡まる蔦に捕らえられ
動けなくなった一羽の鳩
一本の矢が刺さっている

矢は吉兆なのか 不吉なのか
それとも幻影なのか
耳元で囁いて 聖セバスチャン

ピジョン・ブラッドが神々しい


自由詩 ピジョン・ブラッド Copyright 小川麻由美 2015-01-08 07:56:15
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