駅
サトウ コウスケ
横顔のきれいな女性とすれ違った
早朝の濃霧のような音楽のなかで
駅のベンチは穏やかな汚れを飾り付ける
異国の土壌には未知の華が咲くと思っていた私は
満員電車の揺れに染みついた夢に酔っている
車内の微生物の一般論に近い演説を
夜明け前の冷たい雨と織り交ぜた
そのような夢にだ
自由詩
駅
Copyright
サトウ コウスケ
2015-01-08 03:24:30