打ち直した布団と雨
イナエ

ふんわり膨らんで
適度な蓄熱の布団
気分よく寝過ごし
急いで冷たく硬い空気のなかへ
緩んだ身体を放り出し
冷えた下着に包み込んで始まった朝

雨戸を開けると
微かな野焼きの臭いが漂ってくる
急いで窓を閉じふと思う

地球も空気の布団にくるまれて
太陽から届くエネルギーを蓄え
刺さる光を防いでいるが

原初以来纏った空気は
舞い上がった土埃や
塵を燃やした埃が
さぞ溜まっていることだろうな
一日中陽に晒しているとは言え
一度も打ち直ししていないのだから
せんべい布団になっているかもしれない

冷たい水で
寝ぼけた顔を洗い気が付いた
大気は雨で洗われるのだ
そして
流した埃は… 


自由詩 打ち直した布団と雨 Copyright イナエ 2015-01-06 22:04:27
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