モノローグ
梅昆布茶
空から雫が降ってくる
そんな日がすきだ
同じものがからだのなかにある
こわれた玩具の痛みをしらない街に棲む
風に翻って反転する記憶の陰翳を編む
この電話も壊れてるんだ
だから意味をつたえられない
それでも繋がったきみと話す
空から涙が降ってくる
やさしく切ない水分だ
きみが誰と話し続けているのかは知らないのだが
僕ではないのかもしれない
いつもきみの好みは入れ替わるから
それだけで疲れてしまうこともある
いいさちょっとだけでいい
さほどの努力でもないんだし
何かを高く積み上げることって
たいした意味もないと思うこともあるんだ
改行するたびに歴史が変わって行く
瞬きするあいだに君は飛んで行ってしまうから
捕まえるのに忙しい毎日なんだ
電話は壊れてる
それでも話し続ける
そう
冷めかけたスープと
人生は似ているかもしれないんだ