モノローグ
梅昆布茶

空から雫が降ってくる
そんな日がすきだ
同じものがからだのなかにある

こわれた玩具の痛みをしらない街に棲む
風に翻って反転する記憶の陰翳を編む

この電話も壊れてるんだ
だから意味をつたえられない
それでも繋がったきみと話す

空から涙が降ってくる
やさしく切ない水分だ

きみが誰と話し続けているのかは知らないのだが
僕ではないのかもしれない

いつもきみの好みは入れ替わるから
それだけで疲れてしまうこともある

いいさちょっとだけでいい
さほどの努力でもないんだし

何かを高く積み上げることって
たいした意味もないと思うこともあるんだ

改行するたびに歴史が変わって行く
瞬きするあいだに君は飛んで行ってしまうから
捕まえるのに忙しい毎日なんだ

電話は壊れてる
それでも話し続ける

そう
冷めかけたスープと
人生は似ているかもしれないんだ


自由詩 モノローグ Copyright 梅昆布茶 2014-12-16 22:37:44
notebook Home 戻る