夜の岸
北井戸 あや子

こころには
触れる事は叶わない
ぼんやりと紺碧に浮かぶ
あの星明かりが
じんわりと
白けゆく空へ
輪郭を溶かしていくように
ごく当たり前に
こころはきっと
触れられる事を拒むだろう
手を伸ばしても
届かないのは当たり前で
あなたのこころに
触れる事は出来ない
ぼくのこころも
誰も盗み出す事は出来ない
分かち合う事は出来ない
だけど
繋いだつめたさは
あたためあえる
その奥に
どんなこころがあったとしても
気休めの背中合わせで
教えてもらったぬくもりは
とても儚いものだけど
あなたがいなければ
きっと僕は知る事も出来なかったんだ


自由詩 夜の岸 Copyright 北井戸 あや子 2014-12-15 06:24:59
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