葉leaf



この道は海へ続くという
海へ至り海のいちばん深いところで尽きるという
僕は道端において山脈が途切れる村をまなざし
もう後には引き返せないと強く心に刻む
そのとき確かに海はいくつもあった
いくつかの海の浜辺で引き返し
今度は遂にいちばん深いところへと分け入っていくのだ
そこで道と共に果てていくのだ
海のほほえみがきらめく
この世界で一番美しいほほえみのために
世俗の財産をすべて焼き尽くしたのだ
未来を精確に予言しよう
僕が海の一番深いところで果てたのち
海は荒れ狂い浜辺の町をいくつも呑み込む
そのとき失われる命のために
僕は既に無数の命を捨て去ってきた
海へ入ったのちのこの道の途中で
僕は答えのない質問をたくさん浴びる
僕はそれらすべての質問にただ沈黙でもって答えとする
すべて人間の言葉は悪だから
答えという悪を誘導する質問はさらなる悪だから
僕はこの道の分岐点ですべて間違った方向へ向かう
完璧に間違え続けることが海へ至る唯一の方法だから
海は女でもないし愛でも憎しみでもない
僕がやっと本当に死ねる場所
この複雑すぎる肉体から解き放たれ
単純な分子の集まりになり
そしてやがては名付けられぬ無として
宇宙に降り続ける真っ青な雪になるのだ


自由詩Copyright 葉leaf 2014-12-14 13:22:03
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