吟遊詩人
雨の音
吟遊詩人は謡う
戦の空の青さ
豊穣の夕焼け紅の村
稲穂流るる黄金
化生蔓延る夜の闇
吟遊詩人は謡う
みずからに流れる血
営みの鮮烈な肌
俯いた子供の涙
定めを知った青年の瞳
吟遊詩人は謡う
優しく笑った騎士
野良犬の死に様
哀しい定めの恋人達
愛を知らぬ魔王
声は響く七色に
声は届く深き谷に
声は包むはかなさを
声は癒すただ人を
吟遊詩人は謡う
忘却を恐れるように
伝えなければならぬ
それが私の命なのだ
自由詩
吟遊詩人
Copyright
雨の音
2014-12-11 04:02:03