ああ禅問答プロレス
ゴースト(無月野青馬)

エロについての
何かを言うと
知らない間に誰かを傷付けて、流血させていたのかも知れない
巷には
ストロングスタイルのプロレスの嵐
対抗する側には
身近な場所でプロレスをしようと志す「俺達」
一軒家でプロレス、駅前でプロレス、公園でプロレスをやろうと言う
純粋にぜんぶタナトスで
純粋にぜんぶエロスに通じていると信じているんだ
簡易なリングに声が響く
「エロス仮面!受けてみろ!」
アイアンクローが襲い来る
「とどめだ!」
レッグラリアートが突き刺さる
「俺」は倒れ込む
「鼻血なんか気にするなよ」
タナトスは笑顔だ
“やってやる”って
“時は来た”って
笑われても、白い目で見られても
言い続けて、息巻いている
ストロングスタイルのプロレスと「俺達」の一軒家のプロレスは
冷戦のように対立している
既に、素手で
やり直せない
傷が生まれているし
綺麗事、弱音
吐いているうちは
何も出来ないと思われている
飛べる時には飛べ!とか
タナトスは勢いまかせに叫んでいる
何が芸術かとか
何が罪障かとか
何がエロかとか
考えていたら
勢いまかせのタナトスに
3カウント奪われそうな予感がした
全員悪人の国なら
なんにも罪にならないのか?
全員過激な国なら
なんにも罪にならないのか?
全員聖人君子なら
いっさいがっさい罪塗れか?
やめたほうがいいのか
ことなかれ主義の国で
エロについて
何か言っても
知らない間に誰かを傷付けて、流血させてしまうだけなのか
夕暮れ時、「俺」は
エロス仮面の姿になって
ブラックタナトスと
プロレスやってるぜ
プロレスやってるぜ
・・・なんてね





自由詩 ああ禅問答プロレス Copyright ゴースト(無月野青馬) 2014-12-04 23:31:30
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