恒久過疎地域
遙洋



海底にある火力発電の炉が美しい
くらい水の奥から透過する火のゆらぎ


きみらは
新しい土地のように、町をあるく
若い者はみな都市にでてゆき
老人ばかりが残っていることを
恥ずかしそうに言う
さみしい岬に腰をおろし
用途がわからないエネルギーの
みなもとを眺めながら
夕涼みしている


きみらが見おろすあれは
遠い巨大都市では
万物を統べるといわれているらしいではないか
それなのに
とりとめもなく
将棋の話
胡桃の話
不死の話




自由詩 恒久過疎地域 Copyright 遙洋 2014-11-30 22:10:48
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