のうのうしてる
竜門勇気


落ちこぼれてまた
ここにきてまた落ちこぼれて
また落ちこぼれて
そんままじゃおわれねーわうん
落ちたものは拾わねーんだ
だれも
言われなきゃ俺だって

そこそこに
地べたから見る世界は
きれーでかけがえの無いもんだって
思ってたよ
侮ってたよ
夢みたいな言葉を
あんたら書くよな
すげーよ
尊敬するよ
靴底にへばりついたゴミクズは
感情も人格もねーって
気づいてるんだもんな

もう元に戻らないもの
ひずんだまま放り出された
救済のない魂は
ずっとこのまま

復讐なんてしないさ
恨んでなんかないし
お互い存在を意識すらしてもねえよ
わかってるんだ
どれだけの光を浴びたか覚えてないだろーし
どれだけ暗夜行路を歩いたかなんてもっとさ

夢の中だけで
お互いを行き来するんだ
悪夢と現実逃避との交易
ほっといてくれ
ほっといてくれ
頼むからほっといてくれ
弱音の置き場を荒らされたくないんだ
ただ静かに弱いままでいたい

落ちこぼれて
あぶれてはみ出して
劣ってるだけなのに
生きてさえいちゃいけないのか

恨んでも怒ってもいない
夢を見ていたいだけなんだ
こうやって精一杯苦しんでれば
時々だけでも
生きててよかったって思えるんだって

恨みもないんだ
傷つけたいとも思ってないんだ
希望も未来もいらない
ほんとはこれでよかったなんて思えなくてもいい
いつか幸せが来るなんて約束もいらない
この寂しさや悲しさや
今まで欲しがれなかった時間の
無意味を忘れる時間さえあれば


自由詩 のうのうしてる Copyright 竜門勇気 2014-11-22 04:39:10
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