Summer Dog
草野大悟2

捨てたのは
わたし。

夏休みの
別荘ぐらしがおわる日に。

都会にかえったきみは
わたしと暮らしたことさえ忘れてしまう。

捨てたと思っているわたしに
捨てられた、と気づかないまま。

首に透明な鎖をつけた。
きみが気づかないうちにね。

その鎖は
けっして消えはしないんだよ。

きみが骨になって
墓にはいってもね。

きみの骨は
饐えた獣のあじがする。


自由詩 Summer Dog Copyright 草野大悟2 2014-11-18 22:12:44
notebook Home 戻る