エレミタ
八布

神さまの足に蹴っ飛ばされて
コロコロと顔色を変えるような
サイコロ人間になるよりは
ポーカーフェイスな魚になって
ぴちぴち生きていきたい


どこからともなく聞こえてくるのは
つぶやくようなジャズピアノ
約束事をものともしない
ますらおぶりな不協和音が
斜めに差し込む日差しの中で
きらり きらりと
もつれて落ちる


意味に埋め尽くされて
もうこれ以上息のできない世界で
名刺のように軽く
子猫よりも柔らかに
透明な戦争に背を向けて
血液のように熱く
句読点よりもしなやかに


自由詩 エレミタ Copyright 八布 2014-11-17 22:09:09
notebook Home