ちょっとだけ心が乱された夜は
ミツバチ

ちょっとだけ心が乱された夜は
冷たくなった風を胸一杯に吸い込む
澄んだ空には星がはっきりと浮かび
くびれに三つ星を並べたオリオン座が目の前に映る

今日もまた同じ日だった
ただ過ぎる日々にため息と
上司の小言ばかりが増え
だんだんと重くなる足に
ヒールは今にも折れてしまいそう

「こんなはずじゃなかったな」
「仕事続けるのかな」
漠然とした不安に
冷たい風が入り込んでいく
「明日も頑張れるかな」
ため息まじりの言葉は
風にさらわれていき
目の前のオリオン座が
きらきら瞬いている

もう一度胸一杯に吸い込んでみる
「明日も頑張ろうかな」
すっかり冷えた体に
少しだけ元気がわいてくる気がした


自由詩 ちょっとだけ心が乱された夜は Copyright ミツバチ 2014-10-26 22:48:15
notebook Home 戻る  過去 未来