警備員
めー

溶け出した脳の上を
日々の残響が駆けて行く
そのせいで
僕は苦々しい顔を
解くことができず
あのこに会いに行くことも
なかなかできないまま
踏まれて
ふまれて
このまま
なくなってしまうのかなあ
なんて
大きな鉄扉の
時の倉庫から
作業員さんが
秋を運び出して
冬を運び出して
春を運び出して
夏を運び出して
また秋を運び出してゆくのを
かたわらでじっと見守りながら
僕は警備員で
生きるのがしごとで


自由詩 警備員 Copyright めー 2014-10-24 17:06:42
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