昨日のことはよくわからないけど
オイタル

昨日のことはよくわからないけど
明日のことなら思い出せそうな

シャンプーみたいな朝です

高校生は修行者のように林間に列をなし
小さな耳に枯れ下がるイヤフォーンと
丸い掌に膨れ上がるケイタイ
ビル風に吹かれる立木のような人々をかき分け
かき分け

プラットフォームに
日差しが四角くまぶしく落ちて
何もない朝です

からすが
そこの 低いところを歩いていたり
車窓にときおり
こんなふうに スズメの姿が流れてきたり

膝の上に今日の
諦念を丸く居眠りさせて
でも
さてこれからどうしようかという
きれいに何もない朝です


自由詩 昨日のことはよくわからないけど Copyright オイタル 2014-10-18 20:02:10
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