あおい満月

鼻から鼻血が止まらないの
誰かが牛乳を飲みながら叫んでいる
牛乳は血と混じりあって
苺ジュースになる
甘いあまい苺ジュース
甘いにがい苺ジュース

あなたの体液を混ぜてほしい
滴るくちびるから
琥珀がもれる
琥珀のなかの指が
目を開いたまま
こちらをみている

指の目
その開いた瞳孔の
果てしない向こう側に続く線路
こわばる心臓を
撫でながら進むメトロ
明かりがみえる
ホームについた
もうここで、
漸く旅が終りだ。

ホームのベンチに
少女が座っている
少女は鼻血を滴ながら牛乳を啜っている
パックの牛乳が赤く染まって
苺ジュースになる
少女が大好きな
苺ジュースに。


自由詩Copyright あおい満月 2014-10-18 12:16:03
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