おもいのおと
nonya
日々の暮らしの
吹き溜まりから
洒落た記号を
掘り出して
綺麗に並べても
何処にも響かない
吹き溜まりに
手をつっこみ
すくった想いを
雪玉にして
無防備な背中に
ぶつけてみたら
微かに響いた
おもいのおと
振り向きざまに
笑顔を投げ返してくれた
あなた
*
溜息と一緒に
床に落ちた
おもいのおと
冷たい指先で
拾い上げて
包装紙に包み直す
「仕方がないさ」
差し障りのない
言葉の包装紙に包まれた
重たい音符の
哀しい生温かさは
誰にも
伝わりっこないから
そのまま飴玉みたいに
ポケットに押し込んだ