【 レジリエンス 】
泡沫恋歌

誰かの溜息で
紅く染まった紅葉
風に巻き散らされて
紅い絨毯が敷き詰められた
一歩 歩む度に
カサッ カサッ 
と、小さな悲鳴を上げる
その一枚を拾って
空に翳してみれば
紅い残像が
瞼の裏に焼きついた

季節を追うと
遠くへ 遠くへと
逃げていってしまうから
この寂しさは
何処へ捨てにいこうか

静謐な秋の日に
掌の中で光を放つ
朱色の実が甘く熟れてゆく
季節はいく度も再生しながら
真っ白に純化する
気持ちひとつで
寒い季節も越えていけると
折れない心
拳を握り
空を見上げて
雲の行方は風に訊けばいい



                               2014/10/11


自由詩 【 レジリエンス 】 Copyright 泡沫恋歌 2014-10-11 11:48:06
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