冷たい三日月
Lucy

冷たい雨が降り続く
冷たい雨が
靴を濡らす
季節は落ち葉の底深く
沈むように眠りに落ちる
望みは断たれ
願いは口を噤む
もう金輪際
雨が降り止むことはない

濡れた落ち葉は断定する

息絶えたはずの空に
三日月が現れ
深い夜のはざまに
思いもかけない晴れ間が広がる
雲を照らす光が窓から差し込み
私を揺り起こす

あるはずのないものが
眼前に広がる時
私は
絶望に裏切られる
疲労がどれほど重なろうと
断念の末の眠りが
安らかであろうとも
喜べ
期待に胸を震わせ
そして祈り続けろ

三日月は囁いた





自由詩 冷たい三日月 Copyright Lucy 2014-10-05 21:30:31
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