処女作
左屋百色




青い線を切って夢を見ていたのかな。お風呂で2回イッた後にシャンプーするのめんどくさくなって。なんとなくカミソリで切ったらさ、なんでか痛くないんだよね。もう切る前から夢を見ていたのかな。ちなみに1回目と2回目で相手違うからね。
あ、そうだ。3回目の相手を想像してる時に、なんかめんどくさくなってきたんだ。シャンプーは確かしたんだよね。新しいの買ったし。うん。そうだそうだ。で、何の話だっけ?
夢。そう、夢を見たんだよね。なんかね、詩を書いてんの。区役所みたいな所でさ、みんな退屈そうに順番を待っているんだけどさ、よく見ると顔がないんだよね。いや、あるんだけど表情がないって感じ。いや、みんな同じ顔って感じ。あるにはあるんだよね、顔。あ、関係ない
けどセックスする時に顔は関係ない
な。ほとんど。他の人は知らないけど。あれれ、脱線してばっかり。
なんだっけ?あー。夢、夢ね。
でね、私は詩を書いてるわけ、住民票届けとかに書いているの、むりやり。名前の欄に題名書いて住所の欄にむりやり詩を書いているんだよね。詩ってゆーか、なんだろな、ほんとなんだろー。詩ではないかもしんないな。もしかしたら私は詩というものを書いた事がないのかもしれないね。でね、とにかく書いてるんだよね、うん。そしたらさ、隣の人が読んでんの、声に出して読みはじめてんの。こわっ。しかも読み終えて(つまんねーな。とか言ってるし。さらに話しかけてきてさ、(君は花の種類どれくらい知ってる?
光合成っていうのはね、とか語り出してきてさ。え?こわいんですけど、ちょっと警備員さんどこですか。あれ、誰もいない。さっきの人もいない。うわっ。最悪、何これ?夢?でね、外へ出たら海なんだよね。しかもね、砂浜にわたしがいるの。ひとりで。あれ?じゃあ私は誰なのよ、てな話じゃん。で、私はわたしに声かけたんだよね、とりあえず。そしたらさ、
(わたしは砂を掘って言葉を埋めてます、手伝ってください。ですって。ですってよ。うわああ。砂を掘って言葉を埋める?こんな詩だけは書きたくないな。言葉に振り回されてるもん。こわいよ。なんかもういいや。あ!猫だ、猫がいる。にゃあにゃあ。かわいいな。あれ、もういない。どこにもいない。うわああ。
わけかんないよ。こうなったら何でもありだって思ってさ。
めんどくさい事に巻き込まれそうだし。よし、3回目しよー。砂浜で。裸になって。ひとりで、しよー。光合成!なんて思ってたら、すんごい夕焼け。でっかい。きれい。参ったなぁ、って、違うよ!まだ昼じゃん。
じゃ何?うわああ!さっきの区役所みたいな場所。燃えてんの。え?えー!火事ですか?うわああ。そんな感じの漫画を読みながらお風呂に入って、出た後にね、そんな感じの詩を書いたんだ。題名はね、青い線にしようか惑星にしようかなって。まだ迷ってるんだけどね。どっちがいいかな。


青い線/惑星

青い線を切って夜空を見なよ
星より輝く錠剤が
胃の中で、ゆっくりとけて、
ほら。
容赦しない
深夜に炭水化物が運ばれて
頭で食べて、すべて吐く、
ね。
花が枯れる夜。
彼も彼女もいない夜。
秘密をつくろう、
この星は
セックスする場所がたくさんある。
喘ぎ声が、こだまする、惑星、


でね、これを次の日に友達に読んでもらったの。そしたら、(つまんねー。って言われた。これは夢じゃない。わたし言葉が光合成してるような詩が書きたいな、


散文(批評随筆小説等) 処女作 Copyright 左屋百色 2014-10-02 13:20:55
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