平原II
tomoaki.t
それはたとえば大量の膿をたたえたみちひきだっ
た、平面をいくたびかひるがえしながらすみわた
るひとしずくがある、つらなりは多重にすがたを
かさねながらはじらう振動をあめのおとのとおく
においておいて、てでふれればいっしゅんでりょ
うかいする
だから、いったいのひかりがまだだれにもふまれ
ずにいるそのうえで、かぜは可逆的にことばへ移
相するからふりしきるそれらをいつまでもかぞえ
おえることができないでいて、同時性とはあいは
んするものの輪郭線をかさねることでぬりつぶし
ていくから、うれしいもののよりぜんたいの輪郭
線をおおきくえがこうとするくさはその生長をと
めた、だからまたわずかなむしがすっとあせたい
ろで消失するさいしみでるたねがくみこまれてい
く
だれがそしてなにがいたそしているのだろう、き
つねのようないきものがかおをつねにへんかさせ
ながらぶれていくそのパルスのようなノイズを、
いつのまにか上下にぶんりしたやわらかなじめん
の流動のくりかえしが転調をふくませた通奏低音
へとかえていくから、いつかかわることをわすれ
るくらいの等比的なげんそくで単位音へひきのば
されるそれをけいそくできないじかんののちにあ
るしゅんかんにおいて遷移させようとする
うみのおとがきこえるからわたしはどこにもいら
れない、くうかんの圧縮と伸張がふうけいをおり
まげるのでわずかなみずさえひかってみえる、ゆ
れるくさはわたしのせなかよりずっとうしろに焦
点をあてててをふっているようにみえる、たいよ
うはみあたらないのにあかるさはわずかずつへん
かしてあかるくなったりくらくなったりするもの
のここはずっとまひるにみえる、いくつかのくさ
がわたしのふくのきれはしであるようにみえる、
わたしがどこにいるかはもんだいではない
ここでよみあげられるかずはすべてじゅんばんを
みうしなうから、きりがでてくればふちゃくした
かずがかぜにしたがい配置をかえてなんらかのも
ようがえがかれつづける、それをかずいがいのも
のでけいそくしなければならないから、あらゆる
ものがべつのものとしてあるここで、こきゅうで
はないこきゅうをして、みえるものとみえないも
のと、くさにうつるとりどりのひかりをみていた