数年
こいち

もう忘れてしまったんだけどどんな風に笑いあったとか
どんな話しをしたとか
いつも繋いでた手の感触とか
いつも作ってくれてたご飯の味とか
どんな体だったとか
あなたのやさしさとか
長い間一緒にいたけど
たかが数年で忘れてしまうなんてね
あなたの大事な時間を食べてしまった気分です
僕は出会ったばかりの僕たちを思い出そうとしています
でももう思い出せません
あの日初めてあなたが泣いたのは
そういう事だったんだろう
消えてしまったと泣いたんだろう
僕は数年してそれを知りました
なんと言っていいかわかりません
いまさら泣くことはできません
今はただあなたの背中を眺めています


自由詩 数年 Copyright こいち 2014-09-17 18:57:56
notebook Home 戻る  過去 未来