あおい満月


閉じられた扉は
開かれることはないが
閉じた隙間から
射し込む光を頼りに
社会をみている。
薬物に手を染めたミュージシャンや、
同級生を殺めた女子高生や
ありもしない奇跡の細胞を
あると断言しながら涙する
美しい女性を
閉じられた扉は
必ず彼らの目の前にあって
手足を吸い込んでいるのだ

わたしたちも
なにか黒い予感を感じているとき
閉じられた扉が浮かぶ。
扉の向こう側には
何があるのか。
とんとん
叩く音が聴こえたら
その時は確実に
何かに手を出している。

閉じられた扉が
今、あなたには
みえるだろうか。



自由詩Copyright あおい満月 2014-09-13 11:45:55
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