消失
凍月



花を見て
月を思い
雪に触れ
風を感じる

僕はまだ死にたくないんだ
君と話すか
君の言葉を聴くか
君と会うか
君を一目見るか
…最悪、君を思い出すかしないと
僕は死んでしまうんだ

君は、あの時僕と話してくれなかった
いつからか、君の言葉を聴けなくなった
一昨日からは君と会わなくなった
昨日は君がいなかった

今日、死にそうだったから
君を思い出そうとした
それなのに
君の髪の丈も
君の笑い声も
君の服装も
君と話した内容も
君の笑顔も
そして君に心奪われた瞬間も
全部、霞がかって見えないんだ

君が僕から消える感覚
どれだけ言葉を綴っても
どれだけ脳内を巡り
思い出を探しても
君を君を君を君を君を
忘れそうになる
君が僕から消える?

たとえ
花を思い
雪を感じ
月に触れ
風を見て
君を探しても
君はそこにいない
目の前に君はいない
僕の中から君は去って

そして僕は







自由詩 消失 Copyright 凍月 2014-09-06 21:23:35
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