GOAROUND
凍月



もう足が棒になっている
感覚が無くなっていく
汗はもう尽きそうで
それでも歩かねばならない
同じ風景の中を
延々と延々と
先が見えないのではなく
先を知り尽くしているから
同じ恐怖を何回でも繰り返す
同じ恐怖に何度でも怯える
いつからか人生は道ではなく
一日で一周する円となった
黒い霧の中を
哀れにも手を伸ばしながら進み
健気にも何かを掴もうとしている
何回祈ろうと無駄
この先の景色はもう見飽きた
闇の中をぐるぐると歩き続ける
円は日増しに小さくなる
同じ所を動いているだけなのに
円は狭くなり息苦しくなる
終末が見える
もう予想出来る
円は収束し点となり
その時が
この堂々巡りの人生から
解放される時なのだろう

黒い霧の一番端に
きっと僕はいない





自由詩 GOAROUND Copyright 凍月 2014-08-26 22:46:56
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