チキンナゲット
花形新次

ナゲットがひとつ
コンベアから落ちた
その瞬間
心の箍が緩んだ
自分から
ナゲットを手に取り
思い切り
床に投げつけた
目の前がパッと
明るくなった気がした
もうひとつ手に取り
今度は
振りかぶって
ずっと遠くに放り投げた
ナゲットは放物線を描いて
壁に掛けられた
マオの絵に当たった
すぐに僕は捕まった
来週には
銃殺刑が行われる


自由詩 チキンナゲット Copyright 花形新次 2014-07-27 09:24:12
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