丘の街で ⑩
信天翁

       伸びざかりの庭木にも負けず
        ぺんぺん草も群叢となって
       素っ裸の夏をオードしている
        セミのスケルツォに応えて

     なのに 老残の独り暮らしとなった
おらは おそるおそる爆弾を抱え歩んでいる
   (自爆テロとは意味合いは大違いだが)

     チャイコフスキーの交響曲第六番
         「悲愴」をながしている
         静寂な終着駅に向かって


自由詩 丘の街で ⑩ Copyright 信天翁 2014-07-27 09:05:12
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