風も息を潜めて
信天翁

 散策の道なかで遭遇してしまった
  街はずれの竹藪から立ち昇った
    にびいろの烽火に─それは
  宿命をあざ笑うタナトスなのか
  四次元をのろうデーモンなのか
            それとも
    竹藪の奥にはボスに対する
 怨念の影武者が潜んでいるのかも
     おらは鳥肌をたてながら
  振り返りもせず歩幅をひろげた
  寂しい郷土史を秘めた住宅街へ


自由詩 風も息を潜めて Copyright 信天翁 2014-07-25 20:07:17
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