ヒヤシンス

カラフルな欲望の中から一番鮮やかに見えるものを捨てる。
トーンの重い音楽の銃口をこめかみに当て 弾く。
頭は真っ白になり、口から真っ赤な泡を吐く。
一瞬軽くなった体は宙に浮き、その後いびつな形の海中に沈む。

魂は生死を超えた丘の上に立っている。
頭の中に幾百のムカデが這い回り 脳を喰らう。
強烈な吐き気に耐えながら 煙草を一服。
僕は僕にふさわしい音楽を色で選んでいる。

平静を装うとしても駄目だ。
心が狂いそうだ。
今の僕は青い苺を毒とも知らず喰らい尽くすだろう。

呆れ果ててはいるけれど、投げやりにはなっていない。
僕は僕の意思で ほんの少しの正常な部分で 欲望を選ぶ。
いびつな絵画の世界を巡ろう。今は全てが青なのだ。


自由詩Copyright ヒヤシンス 2014-07-21 01:02:09
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