4秒でいち
凍月




昨夜ブランコを聴いた公園に
再び立ち寄ったら
子供たちの笑い声がした

見ると
遊具も砂場もない
公園の中心で
小学生くらいの子が三人
はしゃいでた

青っぽい砂の地面に
棒切れで円が描かれてて
その線の上をぐるぐると
歩いていた

1、2、3、4
1、2、3、4
1、2、3、4


一周を四秒でぐるぐるしてた


一体、何をしているのか気になって
「これはなんて言う遊びなの?」
僕は思わず彼らに聞いた

「円の上をね、四秒でまわるんだよ!」
一人がそう言った

「やってみる?」
と一人が誘ってくれたので

円の上に乗ってみた

「じゃあ、スタート!」

1、2、3、4
1、2、3、4
………………………

これが一体何なんだ?
ちょっと目が回る程度だな……

気付くと、四まで数える子が二人で
一人は地面に正の字を書いて
僕が回った回数を
カウントしてた

円からぴょんと離脱して

「それは何を数えてるの?」
と聞く

子供たちは顔を見合わせて笑う




「人数を数えてるんだよ」
「この円を四秒で一周すると、世界のどこかのだれかが一人」
「死んだ事になるの」




自由詩 4秒でいち Copyright 凍月 2014-07-19 13:02:25
notebook Home 戻る