「許し難い夜」
宇野康平

夜は蒸し暑い。

室外機が鳴る街路。

黒いゴキブリが棲家を探していた。

通り過ぎる私に

「家はありませんか」と尋ねた。

私は通り過ぎた。

街は許し難い。

私は振り返る。

そこに何も無かった。


自由詩 「許し難い夜」 Copyright 宇野康平 2014-07-13 23:08:59
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