残された時空(一)
信天翁

鳥のように飛翔できるつばさがない
   けもののように駆ける脚力はない
魚のように遊泳できる尾びれもない
無為無能の俺はやっといま気がついた
成長ホルモンの枯渇と同時に
      あしたに祈り
         ひるまに励み
            ゆうべに感謝を
           忘却していた と
かくして リグレットの鉄格子に
             囚われたまま
      うなだれるカルマの隻影から
       逃げまわっている俺さまさ


自由詩 残された時空(一) Copyright 信天翁 2014-07-12 19:54:30
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