短夜
千波 一也


余韻とやらを味わいたくて
夜のいちばん明るいところばかりを
かぎ回っていた

浅薄な憧れはいつしか
秘めるべきものへ変わっていったのに
なぜだかそれは継承すべきものでもあるらしい

満たされた思いたちの
表面をかすめるくらいの
刺とも呼べないような未熟な言葉たちが
しずかな月に照らされている

なるほど
僕たちはよく似ているわけだ
精いっぱいに闇を払って闇に焦がれて
むやみを味方に
むやみに一途に







自由詩 短夜 Copyright 千波 一也 2014-07-11 23:00:01
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