1千億光年の孤独
アンドリュウ

破滅へ向かうバスの窓は覆われている
バスは奈落へ向かって疾走する

車内では半裸の乗客たちが
飽きることなく痴態を繰り広げる

恍惚の表情を浮かべ重なり合う肉体ひしめく叫喚
内耳から滴り落ちる倫理の腐液で床はてらてらと滑っている

例え明日地獄の業火に焼かれようとも
今は目の前の快楽を貪る

破滅へ向かうバスの運転手は自慰に没頭している
バスは奈落へ向かって疾走する

バスの行先は誰も興味はない
刹那の欲望を満たす事がすべて

やがてバスは奈落の底へ到着する
体液まみれの体でぞろぞろとバスを降りる

そこには喜びも悲しみもささやかな愛も痺れるような欲望もない

ただの漆黒の闇があるだけ

一千億光年の孤独があなたを押し潰す


自由詩  1千億光年の孤独 Copyright アンドリュウ 2014-07-09 18:05:30
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