猫と神
森川美咲

青白い光の中
あふれているのは
誰かの幸せなつぶやき

そこに置かれているものは
ただ置かれているもので
歩みよって撫でても
噛みついてきたりしない
置物の猫のようなつぶやき

私だって何度も置いたし
いいね、って言ってもらったし

なのに
いつからかヤツら
噛みついてくる
引っ掻いてくる
お陰で私は傷だらけ

ささやかな幸せをいつも感じていられないことが
そんなにも責められるべきことなのか
他人の幸せを喜べないことが
そんなにも罪悪なのか

罰せよ
青白い光の神よ





自由詩 猫と神 Copyright 森川美咲 2014-07-02 21:54:51
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