代替えれじい
ねなぎ
鉄塔を仰ぎ見る
CO2を排出せず、地球に負担をかけない発電方法で有り
並んだ
鉄塔に
回らない
羽が
錆びた
音を立てて
軋んでいる
誰も居ない
海岸沿いの
道路には
時々に通る
トラックの他は
砂が広がるばかり
再生可能エネルギーのひとつとして、自然環境の保全、
砂丘の向こうに
壁に囲まれたような
運転停止施設がのんびりと寝ている
一本道の道路を
同じ様な人々が
同じ様な顔をして
わらわらと集まってくる
エネルギーセキュリティの確保可能なエネルギー源として認められ、
空は
嫌な程に晴れて
晴れたは
良いのだが
海を眩しく
照らすばかりで
風も無く
蒸し暑い一日
現在の技術で経済的に大量に導入可能な点で、発電コストの安価な
冷めたような
白塗りの鉄塔の
錆びた
足元の階段を
降り
それぞれ
口々に
囁きを流しながら
掲示板を見れば
デジタルの表示に
表示されたワッテー時
そして
数値化された値を
値踏みながら
大体の仕事量を
頭の隅に描く
石油の代わりとなるエネルギー源です。
ロッカーで着替えたら
作業ベルが鳴り
それぞれのシートが渡される
ノルマのワット数を確かめ
次いでアンペアも確認する
やはり今日は多い
買ったばかりの
用意したボトルをカゴに入れ
運ぶ
また、新しい産業を育てて、新しい仕事を生み出す事業として
それぞれが黙々と
仕事場に付く
取り敢えずの
蛍光灯の光と
車輪とペダルの
見慣れたグリップ
ボトルを固定台に嵌めて
チューブから最初の一吸いを
口に含む
国が次世代を担う事業として推進しております。
軍手を嵌めて
先ずはペダルを回し
ギアの油をチェックする
序にチェーンの弛みが無いか
チェーンの張りも確認し
作動音から
ギアの回転の歪みを補正
ギア油を
少し多めに注いでおく
長年の課題でも有りました供給エネルギーの安定化も
始業のベルが鳴ると同時に
グローブでの握りを確かめ
体重を掛けるように
ゆっくりと
回していく
逆起電力を意識して
ギアが空回りを起こさないように
なるべく徐々にと回す
大型蓄電池を併設し、発電した電気を一旦蓄電し、必要なときに取り出すという方法、
目の前のデジタル表示で
数値を確認し
体を沈めながら
一心不乱に
けれども尽きない程度に
漕いでいく
密閉された
室内の温度は上がり
数分で汗が吹き出し
コンクリートの打ちっぱなしに垂れていく
代替の発電方法により常に一定の電力量の確保に成功しました。
意識せずに
荒い呼吸を整えながら
数値のみを
目の端で捉えて
黙々と回す
首からのタオルが
水分で重くなり
全身が滑るように
じっとりと流れるように
髪の毛の先から
零れたコンクリートが
染みとなっている
呼気の音と
こめかみの脈打ちが
周期となる
これにより新たな雇用と労働の確保が必然的に生み出され
グローブの掛かりを
確かめるように
休憩のブザーを待つ
曇る時計を
確認しながら
意識が乖離していく
車軸の回転と
擦れる金属のチェーンの
音だけが響いている
周りからの作業音で
自分の鼓動が
掻き消されたように
そして
器械の一部のように
歪んでしまったような視界と
塩っぱさの重なった乾きが
胃の腑を上げていけば
音が遠くなる
地域の活性化にも大いに貢献する事でしょう。
ローテの休憩時間に
階段を登ろうとすると
重たい響きが
振動として
鉄さびの手すりを
伝わってきた
繰り返しますが、非常にクリーンで効率的で有り安価な方法で
海が見え
風が
空気の流れが
揺れもせずに
ぴったりとした袖と
張り付いた太物の
汗を冷やしていく
周囲の環境に何の問題も起こさずに、配慮する事なく展開できる
ゆっくりと
軋みながらも
回り出した鉄の羽が
音を立てている
国策に寄って推進された事業なのです。
午後からは
ノルマが減る事に
少しだけ緩んだ
頬に風が心地良い
地域の皆様のご理解とご協力をお願い致します。
そして
鉄塔を仰ぎ見る