塩雲
たまのす

嘘をついているとき、雲はきれいだった
そのままあの人は海の向こうへ歩いて行った

嘘に私自身が気づいたとき雲行きは怪しくなり
風こそ吹かなかったが
やがて降り出す雨、雨、雨
暗く生温かい雨は
海を満たし
陸を満たし
空を満たし
脳みそを満たした

だが
それが何だというのだろう
真夏のしょっぱい雲だって
比べられることなく泳いでいく


自由詩 塩雲 Copyright たまのす 2014-06-21 00:16:33
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