壁抜けレーシング
瓜田タカヤ


アリプールで
ミクロの透明感

重力感ふり落ちるプチ人マンダラフィギア
壁掛けのネジを無限に配列し
がががとすり切れる子供の肩口
刻印は自由 肉片は関節

それでいく
それでいく
毛穴ごと壁を突き抜けて
果ての星雲内部まで
俺は黒アリ時空で一人
細長い隙間をなぞり
一瞬でラブドール現れるかのよな
果ての毛穴の壁抜けまでに

何なんだよーあんたは何なんだよー
友達でショー?ねえ
昔色々遊んだでしょう
ペッターマンとか砂に埋めて遊んだでしょう

あの青と赤とかの色違いだけの
壁とか透明なガラスとかに投げつけるヤツよ
んで砂ん中入れたら無くしちゃったでしょう
いくら探してもみつかんなくなっちゃったでしょうって
んーバカ!
ポカポカポカ!
イテイテ!

砂ん中にあるはずなんに
いくら探してもみつかんなく
なっちゃったでしょう!って

幾重にも連なりの
油塗りロードとか針回転道路とか
アスファルトに足踏み入れたとたん必ず死ぬ針が飛んでくる走路とか
五重塔で五人の刺客が待っていて
そこの奴等全員をスレイブして頂上まで行かないと
ハンドルが手に入らない道とか
どうでもよい形式のコースが何個かあるけど
どうする?

どれでも最後までいける

それでいく
それでいく
意識はない壁を突き抜ける


それでいく
それでいく
毛穴ごと壁を突き抜けて
果ての星雲彼方まで
果てのアクリルプールまで
俺は黒アリ時空で一人
細長い隙間をなぞり
一瞬でラブドール現れるかのよな
果ての毛穴の壁抜け

壁抜けレーシングまで


自由詩 壁抜けレーシング Copyright 瓜田タカヤ 2005-01-23 02:36:49
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