僕らの誕生日 / 永遠
クナリ

<僕らの本当の誕生日>

はるか年上の 僕の友達へ
敬語を使うなと言って 跳ねるように歩く
話したくもないという戦争の話を
僕にだけは 話してくれた

家出した僕を その日の夜に
君が教えてくれた 森の木のうろで
当たり前のように 見つけてくれた
星を数えながら 二人で帰った

君に出会った日が
僕の本当の誕生日



 はるか年下の 私の友達へ
 誰もが君が思うほど 君を見てはいないよと
 真理のように うそぶく者が 
 君の心を 踏みにじるだろう

 通り過ぎて行った 幾百人の
 幾らかは時折 雨に振り向き
 去りゆく君を 見つめているよ 
 まるで自分だと さいなみながら

 君に出会った日が
 私の二度目の誕生日



もう一人にしないと どこにも行かないといったのに
どうして行ってしまうのと
泣いて追いかけた
あの空に昇る
飛行機雲のような青い煙を



 閉じ込められた殻に 押しつぶされそうな時は
 あの夏の間 私とした話などを
 思い出してみるといい
 忘れられても
 なくならないものがあると分かるさ



君に出会った日が
僕の本当の誕生日

僕に出会った日が
君の本当の誕生日

君と僕が出会った日が
僕らの本当の
誕生日


その声が
もう一度だけ
もう一度だけ
聞きたくて。





<永遠>
なんだ
君ときたら
永遠だったのか
ありがとう。




自由詩 僕らの誕生日 / 永遠 Copyright クナリ 2014-06-09 18:56:44
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