黒い星に生まれた女の謌
ハァモニィベル

沸々と煮えている過去が
億光年の果てから
這って来るような
ソノ音がふつふつと
耳に辿り寄せるたびに
白くなりかけた記憶は
徐々に泡だって
蒸気のように巻き戻され
瞳の前にあらわれつづける

刻まれた あの頃
戻れない 幸せ

耐え切った あの
  耐え切れぬ辛さたちの
思い出したくもない 顔 顔 顔・・・

あの、長いながい
道程(みちのり)のすべてが
いまは もう
重い一瞬の連続
その
あらゆる場面で・・・
轢かれて死んでいる
自分がいる

それが 
一斉に起き上がり

鍋の底を焦がしながら咆える




自由詩 黒い星に生まれた女の謌 Copyright ハァモニィベル 2014-05-31 03:14:08
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