雑草の名前 【題名無茶振り】
ハァモニィベル

(メビウス【前レスの無茶ぶりタイトルで書いてく詩】http://mb2.jp/_aria/840.html-62-63 にて、はるりらさん無茶ぶりの題名で書いた詩。)




「雑草の名前」


 〜【QからAへ】〜

未知の雑草が庭中に広がっていた
はじめは、花壇にひっそりと、可憐に生え
小さな黄色い花が咲いていた
それが、――気づくと、みるみる
広がっていた

困っています。困っています。困っています。
困っています。困っています。困っています。
困っています。困っています。困っています。
困っています。困っています。困っています。

・・・広がって、広がって、広がって、広がって、・・・
・・・広がって、広がって、広がって、広がって、・・・
・・・広がって、広がって、広がって、広がって、・・・
・・・広がって、広がって、広がって、広がって、・・・

雑草の名前が分からない
だから だから だから
そのため、
そのため、
そのため、

除草方法が、わかりません
最適な除草剤が不明です

この雑草の名前を教えてください
名前を教えてください
教えてください
雑草の名前を――

  *

四月頃に、タンポポのような花が咲き、
土の中で根が広がり、
いたるところから
    いたるところから
       いたるところから
     いたるところから
   いたるところから
いたるところから
    葉っぱが
    生えてきます。

一度 土をすべて掘り返し
根を 全て 取り除いたとしても、
取り残した僅かな根から
あっという間に
広がってしまうのです

除草剤を撒いたとしても、
全て枯らすことができない為
残ったところから
すぐに!
また、
   また、
      また、広がってしまいます。

庭木の下の
芝生の所は
 《完全に侵食されて》
花壇の遥か遠い場所にも、
今や、生えてきています

このままでは庭中が
 このままでは庭中が
   このままでは庭中が
     庭中が
    庭中が
 庭中が
この雑草で
この雑草で
この雑草で
この雑草で、
覆われてしまうのも、時間の問題です。

お願いです!教えてください!
  ――対処方法を。

  *  *  *

 〜【AからQへ】〜

オオジシバリは、
日本全国に生育する多年草で、
水田の畦などによく
群生していたりするものであり、

地表付近に茎を這わせて、
節部より根を出し広がっていく。ふふふふふふ。
葉は地面から立ち上がるように地表面を密に覆い
頻繁に草刈りが行われる環境にも、抜群に適応した生育形なのだ。

春にタンポポとよく似た花を咲かせ、フフフフフ、
遠目には区別が付きにくい。ははははは。
白鳥の湖の黒鳥のようだ。ガハハハハハハhhhhh

「地面を縛る」との意味あいに由来して
この雑草の名は、《ジシバリ》と呼ばれるが、
ジシバリもオオジシバリも苦菜(ニガナ)属に属し、
土が少しでもあれば、岩の上にでも生える という、
そんな意味から、別名イワニガナとも呼ばれる。

それほどまでの、恐怖の繁殖力をもつ。
クァワッハハハ、
この雑草が何といってもみごとなのは
花粉がもらえないピンチの時
花柱の先をクルッと巻いて
自家受粉して繁殖してしまうこと。
ソレほど根性があるのだ。驚くじゃないか。
どうだ、まいったかね。イッヒッヒッヒヒヒヒ

これが、
畑に侵入してしまうと、大変だよ君。
畑を耕す度に、コイツの根や茎がズタズタに寸断されて、
あっけなく死ぬのかと思いきや、どっこい
そのバラバラの部分の 一つ一つが 新苗となって

再生し地上にふたたび現れるのだ。
ば、ばかを言え、泣いてなんかいるもんか。
たかが、雑草じゃないか。
農家にとっては超害雑草なんてもんじゃないよ、君。

でもこれ、何というか
咲いている姿は、
実に可愛い





自由詩 雑草の名前 【題名無茶振り】 Copyright ハァモニィベル 2014-05-27 03:31:47
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