枯渇ということについて
砦希

そうそう
ずっと言いたかったんですけど
私もう28歳なんですよ。
30歳まであと2年を切って、
色々と曲がり角を越えてきたんです。

色々な葛藤や誘惑や自分を傷付ける全ての人や
とりとめもない夢や
そういうもの全部
飲み下して、消化して、ここまで来たんです。

ずっと言いたかったんです。
私、もう
少女ではないのです。

あなたやあの人が知っている
少女の私ではないのです。

あばらの浮き出た
まだ何も知らない少女は遠い記憶に
私は今日も色々なことや色々なものと
上手に折り合いをつける。

ずっと言いたかったんです。
あの時の少女はもういないのです。
遠い過去なのです。

そして私の心は日々強くなり
言葉の泉は枯渇する。

水が枯れたあとの泉は
きっとごつごつとした岩がむきだしになり
生き物は消え果て
とても寒いのでしょう




自由詩 枯渇ということについて Copyright 砦希 2014-05-20 21:12:03
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